睡眠中
息子が寝言で、娘の名前を呼んでいた。
寝言も、起きているときと同じような半泣きトーン。
夢の中でも妹におもちゃ奪われているらしい。
頑張れ、兄よ。
弟もよく寝言を言うタイプだった。
あと、寝ながら笑うことも多々あった。
子供の頃は寝笑い声も『ふふふ』という可愛らしいものだったのに、
残酷な時間は彼の声を低く低くしていき、
笑い方も『シシシシ…ククク…』と不敵なものに変えてしまった。
あとイビキ。
不気味でおもしろかったけれど。
寝言は色々とあったけれど、私が鮮明に覚えているのは、彼が年長くらいだったか。
『オラじゃない、オラじゃない、おねーちゃんだから』
小学生だった私は、寝ている間も人のせいにしている!と腹を立てた。
夢の中まで責任は取れないのにねー、しかも相手は未就学児。
怒られないように、私に罪をなすりつけているのか。
怒られないように、親に弁解しているのか。
何にせよ、寝ている間もストレス溜まりそうだなと同情する。
それにしても。
父は壁1枚なんて余裕で通り抜けるレベルの大イビキ、
私は歯ぎしり、
そして弟は寝言寝笑い。
この三重奏をBGMに毎晩眠れていた母を心から尊敬する。