ルームウェア
休日の朝、ヤマトのおじさんに会ってもなんとも思わないルームウェアが欲しい。
子供たちに着替えを促す、スッピン寝巻の私。
未だに高校のハーフパンツを使っている。
弟と同じ高校だったから、鏡に映った白い体毛の薄いふくらはぎまで、下半身そっくり。
弟はスポーツウェアを愛用していた。
仕事以外は寝ても起きてもジャージを着ていた。
寝る用、作業用、日中用と着分けていたけれど、ジャージはジャージ。
祖父の初盆のときも、寝坊&お坊さんのフライングで、上下ジャージだったが、弟は『アディダスは正装』と開き直っていた。
子供がいないときに、実家に帰省したとき。
最小限の荷物で帰省するため、寝巻は母に借りるつもりで持参しなかった。
しかしながら、母は2着をローテするスタイル。
私に貸したら洗い替えが無くなる。
ガタイの良い父からは借りられるはずもなく。
細身の弟のハーフパンツを借りることにした。
翌日か翌々日、弟が実家に来た。
そしてリビングに入るなり、自分のハーフパンツを着用する姉を見る。
「あ、このハーパン借りてるよー」
『おー…』
「あれ、これじゃない方がいい?」
『いや、いいよ』
いまいち歯切れが悪いというか、言いづらそう。
その翌朝、母がこっそり教えてくれた。
「昨日言ってたけれど、『あれ、めちゃくちゃ高いのに…』だって。でも『ダメって言えないし、他に姉貴が履けそうなのないから、まぁ良いや〜』だってさ」
NIKEって書いてる。
地元で就職1年目の彼にとっては、高いのかも。
それでも私の身長のことまで考慮して、貸すことにしたようだ。しかもパジャマ。
当時は「ンだよハッキリ言えば良いのに」と思っていたが。
こうやって文章にすると、自分のジャイアンさがよく分かって、頭を抱えてしまう。
つぎに帰ったとき、また借りようっと。
週末、楽天で頼んだルームウェアが届き、ようやく水通ししたので着た。
ポケットが無い。
わざわざ定価で2500円も払ったのに。
悔しい。