続々 靴
息子は徐々に、集団で遊ぶことを覚えてきている。
最近はかくれんぼが楽しいらしくて、自らカーテンの陰隠れては
「もーいいかーい」
ルールはまだ理解できていない模様。
光る靴から、立て続けに思い出す。
何年ぶりに思い出したんだ、と言うことがたくさん。
明日になれば忘れそうで、必死にキーワードだけでも書き起こす。
2人暮らし1年目のとき。
弟はサンダルばかり履いていた。
たしかに靴下履かなくて良いし、すぐ履けるから楽だ。
親は「災害時とか危ないから、スニーカーだけは玄関に出しておけ」と言われていたが、
適当に返事だけする姉弟。
玄関に出しているのは、私のパンプス、弟のサンダル。
カーチャンごめん。
ただ、弟は冬もサンダルを履いていた。
楽だから、なのはわかる。
それに実家と違って都内は雪が降らない。
通年サンダルが履ける、とは思う。思うけれど。
1月頃はね、さすがに寒くないかと姉貴は思っていたよ。
『大丈夫、案外いける』
と言っていたけれど。
弟は、入った大学(私の大学)は第二志望だったため、『もう1回だけ第一志望に挑戦したい』と言って仮面浪人をしていた。
授業の課題をこなしつつ、受験勉強を頑張っていた。
いよいよセンター試験まで1ヶ月を切っていた正月明け。
体調管理も試験対策のうちだという頃、弟は変わらずサンダルで外出していた。
サンダルで夜中のファミレスで勉強していた。
サンダルでチャリ乗って、移動していた。
結果、『なんか寒い』と言って、発熱した。
ほれ見たことかーばかーあほー。
めちゃくちゃ小言を言った。病人に向かって。
とはいえ姉貴なりに、おかゆを作って、熱さまシートや風邪薬を提供するなど、簡単なことだけやった。
簡単な、と言いつつ、おかゆが入った鍋がスッカラカンになっていたときは、安心したと同時にめちゃくちゃ嬉しかったのを覚えている。
まだ20になる前の男子、流石の体力的で早々に解熱。
センター試験は2日とも受験できた。
朝、どうやって送り出したから覚えていないけれど、普段しない見送りはしてみた。
ちなみに結果は
『前年度(現役時代)と同じ点数』
大学の課題をこなしながら、現役時代と同じ点数をキープできたのは大したもの。
1の位まで同じというのも、大したもの。
二次試験の方は残念な結果で、結果私と同じ母校になることになったけれど。
そこでも友達できたり留学したりと、それなりに楽しい時間を過ごせていたんじゃないかな。
卒論でも留年騒動とか色々あったことを思い出した。
まだまだ、記憶は尽きなさそうだ。