二次元世界への憧れ
息子が、「きめつの“ゆ”いば」と満足げに言っていた。
まさか、まさか3歳児が大ヒットアニメの名前を口にするとは(間違っているけれど)。
3歳児には理解できない内容なのに(見たことないけれど)。
こうやって上のお兄さん、お姉さんやお友達から教えてもらって、色々と見たがったり、やりたがったりするんだろう。
良いよ、お母さんはアニメとかゲームとか、好きだよ。
ちゃんと節度を持って付き合えば、人生楽しくなるからね。
弟もアニメ、ゲームは好きだった。
子供の頃からポケモンをやったり、両親祖父母共に家にいないときはアニメのビデオを2人で見たり。
私は高校に入ると、部活にのめり込んでいたので二次元からは離れてしまったが、大学入学と同時に再燃した。
私が再燃したとき、弟は高校受験を控えていたので、強制的に離れようと思ったのか。
ゲームのハード・ソフトを私のアパートあてに宅配便で送ってくれた。
直筆のメッセージ付きで。
『貴女もやりすぎないように』
という表現に、笑ったのを覚えている。
そして数年経過して、2人暮らししていたとき。
マンションのケーブルテレビで割とアニメがたくさん流れていたこと。
そして、PS2、PS3、Wiiが揃っていたことから(ハード名が時代を感じる)、
それはもうどっぷり二次元。
一緒に無双やったときは、窮地の時に応援しあって相手を倒したり。
ムービーをスキップするかどうかで喧嘩したり。
RPGで全住人に話しかけるタイプかどうかで議論したり。
その中で、意見が一致したことがある。
【高校が舞台のアニメが良い】ということ。
自分たちの高校時代と全然違う眩しさが、切なくも良い…と2人ともマゾっ気のある目線で見ていた。
「あーぁ、二次元楽しそうだなぁ」
『なー。でも、自分が二次元になったとして、主人公とか主要キャラにはなれない』
「わかる。声すらない背景だよね」
『でもモブでも良いから、そのキャラの近くに居たい気持ちがある』
「あ〜、わかる!やっぱり二次元の世界行きたいなぁ」
『わかるわ〜』
「どうしたら行けるんだろう、今からたくさん徳を積めば良いのかな」
『俺たち三次元だから、微分すれば良いんだよ』
「わー!オマエ天才!!」
酔っ払い2人がコタツで話す内容なんて、頭の悪いものである。
その後、どうやって自分を微分すれば良いのか考えたけれど1ミリも答えは出ず。
ここにいる以上、どんなに頑張っても厚みは生じるから難しいね、なんて話した。
後日友人に相談したら、「推しキャラと写真撮れば同じ次元になるじゃん」と言われた。
そうじゃないんだよぉ…
こんな下らない会話を山のようにしていた気がする。
こんな下らない会話を出来る相手が、弟しかいないことに、胸が痛い。
よし、息子に娘よ。
母の相手ができるよう、頑張るのだぞ。