受け継がれたもの
息子のお遊戯会があった。
自分の出番になると、歩きながら持ち場へ行けばいいのに、舞台袖からピョンピョン跳ねながら移動。
楽しくお遊戯している様子はもちろんだけれど、
親の知らない社会で、集団で役割分担しながら演じることが出来るようになっている。
踊りも2種類覚えて、近くに先生が居なくても踊れるようになっている。
登園前は「今日は土曜日になって欲しい」と意味不明な理由で大泣きだったが、無事に成長を感じられる時間を過ごせて良かった。
弟はお遊戯会の類は、それはもう苦手で仕方なかった(踊り - すずうくぬつ)。
中学生になってからは劇の類は無くなったものの、「合唱」が始まり、それも嫌そうだった。
『なんであんなデカい口あけて、面白くもない曲を歌わなきゃならねーんだよー』
ラルクとかじゃないもんね。
『俺面倒だから、口パクだったり、全部同じ音で歌ってる』
合唱大好きな私には理解できない、そしてハーモニーを崩すその行動は許せない。
「ハーモニーの邪魔すんなよ!」
『姉貴に関係ねえだろ!』
と、喧嘩した記憶がある。
ただ、クラスメイトも黙っている感じではなかったようで。
弟以外で示し合わせて、あるフレーズから歌うのをストップしたそうだ。
弟、まさかのソロ。
私は現場を見ておらず、後日話だけを聞いた。
『やられたんだよー』と、怒ることなく、いじられたことが嬉しいような表情で教えてくれた。
見たかったなぁ。
そんな風に、弟と息子は割と対極。
なのに仲良しだから、将来どんな関係性となるのか楽しみにしていた。
2年10ヶ月間のうち、息子は弟から2つ芸を教えてもらい、確実に自分のものにしていた。
『あーまのくーん』と言うフレーズ(?)。
使う場面は大体おままごと。
名前として「あーまのくーん、でーす」
場所として「あーまのくーんに、お出かけしまーす」※イトーヨーカドーと同じ感覚
なぜ、どう言う文脈でそれを伝えたのかは、分からない。
大方、弟がなんかの拍子に真似したのを聞いた息子が「おじちゃん、(もうい)っかい!」とリピート希望して。
弟が『あーまのくーん』とリピートしまくって、
『ふみくん、あーまのくーん』
「あーまのくーん!」
『そう、じょうず!』
と会得したのだろう。
声色の模写は、流石に厳しかったっぽい。
2.タケモトピアノ
あのCMソング。
いつの間にか教えてた。
使う場面は全くない。
ただ、どこかを歌えば返してくる。
『ふみくん、もっともーっと?』
「たけもっと!」
『じょうず!
みんなまーるく?』
「タケモトピアノ〜」
『「そのとーり!」』
息ぴったり。
息子が20代後半相当の頭脳か、弟が2歳児相当の頭脳か。
見事な掛け合い。
どれも役に立つものではないけれど、
そして息子のお友達に通じる子が何人いるか分からないけれど、
弟がせっかく教えたことだから忘れないで欲しいと思う親のエゴ。
風に当たると「凍えそうな〜」とWHITE BREATHを歌うようになったのは、私と夫のせい。
娘も「yeh yeh wow wow」と言うようになったのも、survival dAnce を口ずさんだ私と夫のせい。
いつまで覚えているものなのか。